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[ 産婦人科 ]

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病気のはなし

尾道市立市民病院における、産婦人科の病気のはなしをご紹介いたします。
(2018年4月現在)
1.婦人科領域の疾患

 婦人科学の対象は大きく分けて、腫瘍、炎症、内分泌疾患の3つに分類されますが、最後の内分泌に関わる疾患は次の項で詳しく述べますので、ここでは、腫瘍を悪性腫瘍と良性腫瘍に分けて述べるとともに、炎症性疾患について記します。

(1)悪性腫瘍
 婦人科領域で扱う悪性腫瘍の主たるものは、子宮癌と卵巣癌で、子宮癌は、子宮頸癌と子宮体癌に分けられます。

 これらの疾患への対応でもっとも重要なことは、他の悪性疾患と同様、早期発見、早期治療につきます。

 当科ではこれらの疾患に対する検診、つまり婦人科癌検診を積極的に行っています。
 婦人科癌検診に際しては、まず子宮頸部と子宮体部の細胞診で、子宮頸癌と子宮体癌のスクリーニングを行うとともに、超音波検査で子宮内膜と卵巣とをチェックし、もし異常が認められた場合は、子宮内膜組織検査や卵巣癌に関係する腫瘍マーカー検査、あるいはMRIやCTなどの画像診断を追加することで、見落としのない確実な癌検診を行うよう努力しています。

(2)良性腫瘍
 婦人科領域の良性腫瘍として代表的なものは、子宮筋腫と、卵巣嚢腫などの良性卵巣腫瘍です。
 これらの疾患に対する治療方法としては、手術療法が基本になりますが、手術の方法、手術に際して不可欠な麻酔の方法などにはいくつかのオプションがあります。
 たとえば手術方法としては、開腹手術、経腟手術、腹腔鏡下手術などがありますし、麻酔方法としては、全身麻酔、腰椎麻酔、硬膜外麻酔、静脈麻酔など種々の方法があります。

  現在、当院産婦人科は、医師が一人の体制で、手術への対応が十分にはできにくい状況になっておりますので、当院で手術をお受けできない場合は信頼のおける施設に責任を持って紹介させていただいております。


 

(3)炎症性疾患
 産婦人科の炎症性疾患、とくに感染症としてもっとも頻度の高いものは、腟の炎症、すなわち腟炎ですが、なかでもカンジダ腟炎がもっとも良くみられる病気です。
 カンジダ腟炎の症状としては、腟帯下(おりもの)の増加と掻痒感(かゆみ)が主なものです。 この疾患は、カンジダという真菌(カビの一種)が原因になりますが、抗生剤を内服した後や、過労など体調を崩したときなどに発生しやすいと言われています。
 カンジダ腟炎の治療は腟錠や外用薬を使いますが、比較的簡単に治すことができます。
 子宮とくに子宮頸管の炎症としては、最近、クラミジア感染症の増加が注目されています。
 腟帯下の増加や下腹部痛などが主な症状ですが、症状があまり強くないため見過ごされることが多く、これがこの疾患の最近の蔓延ぶりと関係していると考えられています。
 この病気は性交によって感染するため、ご夫婦、あるいはセックス・パートナーと一緒に治療することが必要です。
 その他、HIV感染症、つまりエイズも大きな社会問題として取り上げられていますが、これもセックスと関係のある感染症として、産婦人科も関与する分野です。
 もし検査の希望などがありましたら、HIVつまりエイズウイルスの検査もプライバシー保護に万全を期した上で行っていますのでご相談ください。

2.不妊症

 不妊症とは、妊娠を希望しているにもかかわらず、2年以上妊娠しない状態と定義されていますが、このようなご夫婦は意外と多く、10%以上、つまり10組に1組以上のご夫婦がこの問題で悩んでおられると考えられています。
 不妊症に対しては系統的な検査とともに適切な指導と専門的な治療が必要です。

 ただ、不妊症の治療で重要な処置である、体外受精・胚移植は残念ながら当科では行っていません。
 しかし、このような処置の適応と考えられる症例や、処置を希望されるご夫婦に対しては、体外受精・胚移植で良い成績を上げている施設へ責任を持って紹介させていただいています。

3.更年期障害

 更年期障害は、きわめてありふれた病名ですが、この病気の本質や定義は意外と明確になっていません。
 なぜかと言いますと、更年期障害という病気は、単一の原因で起こる単純な病気ではないからです。
 更年期障害は、体と心と社会の病気などと呼ばれることがあります。つまり体の変化(更年期になって現れてくる身体の老化現象)、心の問題(性格や心理的要因)、そして社会的な問題(環境などの社会的要因)、これらの原因が相互に絡み合い、最終的に身体的症状として発症してくるものが更年期障害なのです。
 このような理由から、更年期障害を管理し治療するためには、まず何よりも根本的な原因が、体、心、社会的要因のどれなのか、あるいは、どれがもっとも重要な原因なのかを知ることが必要です。
 このような対応をするためには十分なカウンセリングが必要になりますし、さらに心の問題を評価するためには、それなりの知識と経験が求められます。
 そして、更年期障害と思われる症例の中には、うつ病や神経症などの、むしろ神経内科や心療内科で管理すべきだと考えられる場合もあり、このような場合は、それぞれの専門医に紹介するように心がけています。

4.思春期の問題

 思春期は更年期と同じように心身ともに不安定な時期であり、色々な問題を起こしてきます。 月経不順や不正出血、月経痛、あるいはセックスに関する不安や悩みなど種々の問題がありますが、最近多くみられるものに、体重減少性無月経とよばれる病気があります。
 簡単に言えば、やせ願望によるダイエットが原因になった無月経ですが、最近のダイエットブームのせいか非常に増えてきているのが現状です。
 このような状態に対処するためには、月経や排卵など女性の内分泌系に関する知識を持った医師、つまりは産婦人科医が管理することが絶対的に必要なのですが、身体の状態が気になりながらも産婦人科受診をいやがり、不安を持ったままで生活されている方も多いようです。もしこのような問題で悩んでいる方がおられましたら、ぜひご相談ください。個々の状況に応じて対応し、必要があれば思春期保健相談士の資格を有したスタッフがより専門的な立場から問題解決のお手伝いをいたします。

5.不正性器出血について

 月経以外の出血、いわゆる不正性器出血にはいろいろな原因があります。

あまり心配のいらない性器出血を年齢別に挙げると
a) 性成熟期:子宮腟部ビランからの出血  排卵期出血などの機能性出血
b) 閉経前後:更年期出血
c) 閉経後 :萎縮性腟炎からの出血

 年齢と関係なく起こるものとして、子宮頚管ポリープや子宮筋腫による出血などがあります。もちろん疾患自体はあまり心配ないものであっても、症状や出血量などによっては治療を行う場合もあります。
 次いで、治療が必要な不正性器出血の代表的なものには流産、子宮外妊娠など妊娠に関連した産科的な出血、子宮頸癌、子宮体癌、その他の悪性疾患による婦人科的な出血などがあります。
 
 日頃外来診療をやっていると不正性器出血を心配して受診される方は大勢おられますが、そのほとんどは心配のない原因による出血です。すぐに治療しなければならないケースは決して多くありません。しかし自分で原因を判断するのは無理だと思いますので、不正性器出血があればとりあえず早めに産婦人科を受診するようにしてください。

 最近、生活習慣の欧米化にともない子宮体癌が増加していることが問題になっており、しばしばマスコミにも取り上げられています。中には子宮体癌が閉経後に起こる病気である、あるいは早期から不正性器出血がみられる、と受け取られそうな報道も見られます。しかしこれらはあくまで疫学的な頻度であって、現実には順調に月経がある方が子宮体癌になることもありますし、相当進行するまで子宮出血のない方もあります。そのため子宮体癌を早期発見するためには、たとえ閉経前であっても、不正出血がなくても婦人科検診を受ける必要があります。同様に子宮頸癌に関しても最近は性交出血などの自覚症状で発見されることが少なくなり、多くは婦人科検診で見つかっています。また、定期検診を受けていれば子宮腟部異形成という、子宮頸癌よりも前の段階で発見される可能性も高くなります。
他の病気と同様、産婦人科領域の病気も初期には自覚症状がないことがほとんどです。従って不正性器出血など何か気になる症状がある場合はもちろん、何も症状のない方も定期的に産婦人科検診を受けられることをお勧めします。

6.妊娠と分娩

分娩は2017年12月末で取扱いを休止しました。

分娩以外の診療はひき続いて行っています。

 

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