[ 歯科口腔外科 ]
『歯科口腔外科』の概要
当科の特徴は、口腔外科疾患と総合病院で他科との連携を要する歯科疾患を取り扱っています。転倒や交通外傷による口腔顎顔面外傷、歯から顔面・頸部に波及した炎症(歯性感染症)、唾石などの唾液腺疾患、顎骨嚢胞および口腔癌などの腫瘍や粘膜疾患の診断と治療を行っています。また、がん、心臓病、糖尿病などの他科入院治療中の患者さんや他医療機関では治療が困難と考えられる患者さんの歯科治療(主に口腔衛生指導と抜歯などの観血的治療)を行っています。とくに、外傷をはじめ欠損部の再建として顎、咬合のインプラント治療を行っています。進行すると大がかりな再建治療を要するなど整容と機能に大きな障害を残す頭頸部癌などは、3次医療機関へ紹介させていただくこともあり、できる限り早期発見・早期治療に努めています。
歯周病をはじめ、口腔細菌による誤嚥性肺炎や人工呼吸器関連肺炎防止目的に、口腔ケアの重要性が益々重要視され、呼吸器ケア、糖尿病ケア、緩和ケアなどのチームにも参加しています。さらに、病棟内口腔ケア技術向上のため、多職種で構成された独自のチームによるラウンドも効果を上げています。
◆当科受診される患者さんへ◆
当院歯科口腔外科は、現在、口腔外科を中心に診療を行っています。開業の歯科医院や病院歯科のなかでも一般歯科中心の診療を行っているところとは診療内容が異なります。
当科は外来患者さんのほか、入院患者さんの診療を行っています。以下、診療内容についてご説明します。
外傷(顔、顎、歯のけが)、腫瘍(がん等)、嚢胞(膿のふくろ)、顎の炎症や神経痛といった疾患を取り扱うことが多く、また、埋伏歯(親知らずや過剰歯などの顎に埋まった歯)の抜歯や血液をさらさらにする抗凝固薬や抗血小板薬を止めないで抜歯する、お薬内容で顎骨壊死などのリスクのある患者さんなど、一般歯科では取り扱いにくい疾患の診療を行っています。そのため、虫歯や歯槽膿漏の治療、新しく入れ歯をつくってほしい、といった比較的低侵襲な歯科治療は近医歯科をご利用いただきますようお願いしております。一方、近医歯科や医科の先生方からの紹介状をお持ちの患者さんは、この主旨をご理解頂いたうえに診察を行いますが、場合によっては診察後に近医歯科医院などへお戻りいただくこともございます。
診療時間は、基本的に平日(月〜金曜日)の午前9時〜12時30分、午後は2時〜5時ですが、受付時間は初診が8時半〜11時、再診が8時半〜16時で予約制です。
当科はお電話での予約もお受けしておりますが、紹介状をお持ちの初診患者さんは、現在のところ、再診患者さんと同様の取扱とさせて頂いております。お電話にて、対象とする患者さんの診療内容について、当科受付にお伝えください。内容によって、月、水、木の午後の予約をお取させて頂きます。
親知らず(第三大臼歯)やその他の抜歯をご希望の患者さんにつきましては、基本的には紹介当日に抜歯はいたしません。その内容と程度により投薬と説明をしており、後日抜歯の予約をお取りしておりますのでご注意下さい。
なお、水曜日は午前、午後ともに周術期口腔機能管理(全身麻酔をかけて、がんや心臓血管外科の手術をされる方や抗がん剤治療や放射線治療を受けられる方の口腔診査と治療)を行っています。当院で手術を受けられる患者さん以外は、医科の先生からの紹介状が必要となりますので必ずご持参ください。(院内他科から歯科口腔外科受診を勧められた患者さんは、紹介状をご持参いただく必要はございません。)