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[ 中央検査室 ]

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紹介

尾道市立市民病院における、中央検査室の紹介をご紹介いたします。
(2018年5月現在)
中央検査室の紹介

中央検査室では院内電子カルテシステムを導入を機に、患者さんより得られた検体(検査対象物)を、『より正確に! より早く!』を合言葉に、患者さんにやさしい検査室を目指しています。

当院、中央検査室では4つの部門に分かれています。

1.検体/輸血検査
血液学的検査、一般検査、生化学・免疫検査などがあります。
採血された血液や尿などを調べています。輸血検査は安全な輸血治療を実施する為の検査です。

2.細菌検査
細菌検査は細菌やウイルスなどの、感染症について調べています。

3.生理機能検査
心臓機能、肺機能、脳波・神経、睡眠時無呼吸検査など、身体の機能を検査しています。

4.病理検査
患者さんより採取された組織・細胞を検査しています。

1.検体検査

血液検査と一般検査を3.5名、生化学・免疫検査・輸血検査を3名で担当しています。
殆どが診察前に必要な検査なので、迅速で正確な報告ができるような体制作りをしています。
また、形態検査は個人の判断にゆだねられるところが多く、常に高いレベルでの共通の見識を維持するために研修し討論してより価値のある報告をこころがけています。
検体検査には主に以下の検査があります。

1.血液検査 
2.一般検査
3.生化学・免疫検査 
4.輸血検査

  【血液検査】

血液中には赤血球、白血球、血小板などの細胞が存在します。
赤血球は肺から全身に酸素を運搬し、白血球は生体防御をおこない、血小板は出血を抑えるなどの働きがあります。
血液検査は、それらの細胞を分析することで病気の診断や身体の状態を把握できます。

1.血球成分検査
・血球算定検査 
白血球数(WBC)・赤血球数(RBC)・ヘモグロビン濃度(Hb)・ヘマトクリット値(Ht)・血小板数(Plt)・その他20項目などを、全自動血液分析装置(ユニセル DxH800・801 ベックマン・コルター社)で測定します。

・末梢血液像検査( 形態検査 )
血液中の白血球の種類や形態を観察します。全自動血液分析装置が分類する機械分類と血液標本を作成し、染色して顕微鏡で白血球を分類する目視分類があります。


2.出血・凝固検査
止血機構のどこかに異常があれば出血すると止まりにくくなります。  
出血性素因の原因解明のためや、凝固系活性状態の把握・抗擬固療法などのモニターに次のような検査を実施しています。

?出血時間(DUKE法)
・血小板機能・血管機能をみる
?血漿プロトロンビン時間(PT)
・外因系凝固因子活性のスクリーニング経口抗凝固薬療法のモニタリング
?活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)
・内因系凝固因子活性のスクリーニング
?フィブリノーゲン(Fbg)
・量の増減で病態の把握(炎症で増加など)
?フィブリン分解産物(FDP)
・線溶の把握
?Dダイマー
・二次線溶の把握
?アンチトロンビン-III(AT-III)
・ヘパリン療法効果判定

3.その他の検査
・穿刺液検査(髄液・胸水・腹水・関節液など)
・血液型検査
・赤血球沈降速度検査(血沈)
・骨髄検査

  【一般検査】


<尿検査について>
尿は血液の中の不要な物質を排泄する為に腎臓で作られます。体に異常がある時は、尿の中の成分も変化します。
一般検査では、尿の成分や性状を調べて体の状態を把握します。



1.尿定性検査
試験紙によって尿中の各成分を測定します。
【測定項目】
比重、pH、糖、蛋白、ケトン体、潜血、ウロビリノーゲン、ビリルビン、亜硝酸塩、白血球、微量アルブミン

2.尿沈渣
尿を遠心分離し、尿に含まれる成分を集め、顕微鏡で詳しく観察します。
腎尿路系の病気を診断するためや経過を観察する上で重要な検査です。


3.便検査
【便 潜 血】
・大腸癌の早期診断のため、便の中に血が混ざっていないかを検査します。
【虫卵検査】
・便の中の寄生虫卵を検査します。

4.その他
・精液検査
・産科・婦人科系検査など

  【生化学免疫検査】

主に血液を遠心して得られる血清(血漿)を検体として検査をしています。医師にできる限り速く正確な検査結果を提供して、病気の診断、治療、予防に貢献しています。

1.生化学検査
血液中の特定の成分を調べることで、どの臓器にどのような異常が生じているかということを間接的に調べています。
また、測定方法や単位によって同じ検査項目でもまったく違う数値になることや、性別、年齢、生活環境などでも結果が違ってくる場合もあります。

測定項目

肝臓検査:AST、ALT、LD、γ-GT、ALP、CHE、ビリルビン など
膵臓検査:AMY など
心筋マーカー:CK、CK-MB、AST、LD、BNP、トロポニンI、ミオグロビン など
腎臓検査:尿素窒素、クレアチニン、尿酸 など
脂質検査:総コレステロール、中性脂肪、HDLコレステロール、LDLコレステロール など
糖代謝 :血糖、ヘモグロビンA1c など
栄養状態:TP、ALB など
電解質 :ナトリウム、カリウム、クロール、カルシウム、リン など
炎症マーカー:CRP、SAA など


2. 免疫血清検査
体の外から入ってくる異物(細菌やウイルス:「抗原」)に対して体内が抵抗する働きを「免疫」と呼び、この時に作られる物質が「抗体」と呼ばれます。免疫血清検査はこの抗体の有無や量を調べる検査で、感染する病気の診断に使用されます。

最近ではその他にも、免疫反応(抗原と抗体の結びつく反応)を利用して微量な成分を検査するものも指します。

測定項目

免疫検査:IgG、IgA、IgM、リウマチ因子(RF) など
腫瘍マーカー:CEA、AFP、CA19-9、PSA など
感染症 :HBs抗原、HCV抗体、梅毒検査 など
甲状腺 :TSH、FT3、FT4 など
  【輸血検査】

大量の出血によって循環血液量が減った場合や、貧血によって体の組織へ酸素が運べなくなった場合、あるいは出血を防ぐため凝固因子の補充をしなければならない場合に行います。輸血をしなかった場合には、出血性ショック、多臓器不全、出血多量による生命の危険に陥ります。

輸血検査は、患者自身の血液型と適合する血液を安全に輸血するために行う検査で、誤った血液型の血液を輸血してしまうと、体の中で血液が固まったり溶血したりし、重篤な状態になります。それらを防ぐ目的で血液型検査、不規則抗体検査、交差適合試験を実施しています。

2.細菌検査

細菌検査は主に臨床材料(喀痰・尿・便など)より病原微生物を寒天平板培地や液体培地を用い培養し、病原微生物菌種同定および薬剤感受性試験の実施により感染症診断・治療において必要な検査結果を臨床側に報告します。

細菌検査は大きく塗抹検査、分離・増菌培養検査、同定検査、薬剤感受性検査、迅速抗原検査、抗酸菌検査に分かれます。

1.塗抹検査・鏡検検査
臨床材料をスライドガラスに塗り、染色液で染め、顕微鏡で観察することにより細菌の存在を確認します。

2.分離・増菌培養検査
寒天平板培地や液体培地に材料を塗り、細菌を肉眼で確認できる程度に大きくし発育させます。

3.同定検査
発育した細菌の持つ生化学的性状などから細菌の名前を決め、病気を起す菌か確認します。

4.薬剤感受性検査
病気を起している菌と考えられう場合、ある濃度に希釈した菌と抗菌薬を接触させ、ある一定時間・決まられた培養環境のもと、どの抗菌薬が有効かを判定します。

5.病原微生物迅速抗原検査
病原微生物(細菌・ウイルス)が持つ抗原・毒素を検査キットを用いて検査します。

6.抗酸菌検査
抗酸菌の有無を塗抹、培養、遺伝子検査で確認します。

3.生理検査

生理機能検査について
患者さんの身体に直接測定機器をあてて測定する検査です。
主なものに、心電図検査、心エコー検査、肺機能検査、脳波検査等があります。

【心電図検査】
心臓の拍動によって生じる微量な活動電位を増幅して記録したものです。心筋梗塞などの虚血性心疾患や不整脈がわかります。(検査時間約5分)


【ホルター心電図】
小型の携帯型心電計を装着し、日常生活の心電図を約24時間にわたって記録する検査です。短時間での心電図検査ではとらえられない不整脈の出現頻度や狭心症の有無などを調べる検査です。動悸や胸痛、失神などの症状がある方に有益な検査です。

【24時間血圧計】
小型の携帯型血圧計を装着し、血圧を約24時間にわたって記録する検査です。血圧の日内変動がわかります。

【心エコー】
超音波を使って心臓を目で見る検査です。心臓の形態や動き、弁膜症がわかります。レントゲンやCTのように放射線を使用しないため被ばくの心配がありません。繰り返し安全に検査することができます。
ベッドに左側臥位(左側を下にして横向き)に寝てもらい、プローブをあてて検査を行います。
(検査時間約10〜30分間)

【腹部エコー】
腹部に超音波をあて腹部臓器の状態を調べる検査です。肝臓、胆道、膵臓、脾臓、副腎、腎臓などの臓器の他に膀胱・前立腺などの泌尿器科臓器、子宮や卵巣などの婦人科臓器も調べることができます。心エコー同様、被曝もなく繰り返し安全に検査を受けることができます。

【肺機能検査】
肺の大きさ、気管や気管支の狭窄の有無などを調べる検査です。気管支喘息や肺気腫、間質性肺炎などの肺疾患の診断や評価に役立つ検査です。 また、手術前には全身麻酔が可能か、呼吸管理が安全に行えるかなどの呼吸機能を評価するために行います。
(検査時間約5〜30分間)

【脳波検査】
脳が活動すると、脳の中には微弱な電気が流れます。その電気的な変動を頭皮につけた電極でとらえ、波形として記録し脳の働きを調べます。てんかんの診断・病型判定、けいれんや意識障害の評価、器質性脳障害の診断に用いられます。
ベッドに仰向けに寝て、頭に十数個の電極を取り付けます。安静時、開眼、閉眼、深呼吸時の脳波を調べます。またてんかんなどでは光刺激や音刺激を与えて脳波を測定します。小児では睡眠中の脳波を測定することもあります。
(検査時間約1時間)

【神経伝導検査】
手や足の神経が正常に機能しているか調べる検査です。手や足の神経の上から電気で刺激をし、刺激が伝わる速さを測定したり、波形を分析したりする検査です。手足のしびれや、力が入りにくいときなどに行います。
(検査時間約10分〜1時間、検査部位によって異なります。)

【SPP(皮膚還流圧測定)】
血流を調べたい場所、主に足先にセンサーと血圧計の帯(カフ)を巻きます。そのカフに空気を入れて膨らませ、その後徐々に空気を抜いて血流が戻るポイント(皮膚還流圧)を測定するものです。皮膚の表面の毛細血管の血液の流れがわかる検査です。
血管内の狭窄および閉塞が原因の重症下肢虚血の重症度評価、下肢カテーテル治療・バイパス術後の経過観察、難治性潰瘍の治療予測、四肢切断レベルの判定に用いられます。
(検査時間約20分〜1時間。検査部位によって異なります。 )

【PSG】
睡眠時無呼吸症候群をはじめとする睡眠障害を診断するために行います。
この検査は、脳波、呼吸運動、心電図、いびき音、体の酸素飽和度などのセンサーをとりつけ、一晩中連続して記録していき、睡眠の深さや無呼吸の程度、不整脈、いびきの出現時間をみていきます。
一泊二日の入院検査になります。

【その他】
その他に、運動負荷心電図、血圧・脈波測定検査、頸動脈エコー、FMD、中心血圧などを実施しています。
また365日24時間体制で心臓カテーテル検査の補助(ポリグラフ、IVUS、IABP、PCPSの操作)などの業務も行っています。

4.病理検査

1.病理組織検査
病変部より採取した組織をホルマリン固定し、標本を作製します。病理医がその標本を観察し、良性・悪性の診断、広がりの程度など、治療方針の決定について、顕微鏡レベルで診断を行います。

下の写真は、組織検査で用いるHE染色をした腺癌(左)、小細胞癌(右)の組織像です。

〔検査材料〕

  1. 生検材料手術材料
    • 生検・・・胃、大腸、胆管、肺、膀胱、子宮内膜、皮膚、リンパ節など
    • 針生検・・・肝、腎、前立腺、乳腺など
  2. 手術材料
    • 外科的手術
    • 内視鏡的手術
      ESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)・・・早期胃癌・大腸癌など
      EMR(内視鏡的粘膜切除術)・・・大腸ポリープなど

2.術中迅速病理検査
手術中に、採取してきた組織を未固定で凍結処理し、迅速標本を作製します。病変部が良性か悪性か、リンパ節に転移がないか、病変部が取りきれているかなどを確認します。
この検査により、その後の手術の方針が決定されます。

3.細胞診検査
自然剥離している細胞または人工的に採取した細胞の標本を作製し、顕微鏡下で細胞学的に癌を診断します。
下の写真は、細胞診検査で用いるパパニコロウ染色をした腺癌(左)、小細胞癌(右)の細胞像です。

〔検査材料〕

  • 婦人科領域・・・子宮頚部、子宮体部
  • 泌尿器領域・・・尿
  • 呼吸器領域・・・気管支洗浄液、喀痰など
  • 消化器領域・・・胆汁、膵液
  • 体腔液・・・胸水、腹水など
  • その他・・・乳腺、甲状腺、耳下腺、リンパ節など各種臓器の穿刺吸引、組織捺印細胞診

4.迅速細胞診検査
気管支内視鏡検査などの現場において、目的とする組織や細胞が採取されているか確認する検査です。これによって、患者さんや医師の負担の軽減、診断率の向上、さらに早期治療につなげることができます。

下の写真は迅速細胞診検査で用いるDiff-Quick染色をした腺癌(左)、小細胞癌(右)の細胞像です。

〔検査材料〕

  • EBUS-TBNA(超音波気管支鏡下針生検)・・・肺、リンパ節など
  • EUS-FNA(超音波内視鏡下穿刺吸引術)・・・膵臓、胃など

5.病理解剖
患者さんが亡くなられた際、ご遺族のご理解とご承諾を得られた場合、疾病の原因、診断及び治療効果の検証の目的にて、ご遺体を解剖させて頂きます。

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