[ 脳脊髄液漏出症治療センター ]
検査と治療
(2023年4月現在)
検査と治療 | |
・診断のための検査 髄液漏出量が多いSIH以外は脳MRIには異常がない事がほとんどです。脊髄MRI画像の硬膜外高(水)信号域は陽性率が高いので最初の外来受診時に撮影します。髄液漏出が疑われた場合は硬膜外持続注入目的の入院(4〜5日)を予約します。持続注入で症状が改善すれば髄液漏出と考えてほぼ間違いありません。退院時に本格的な治療目的の2回目入院(1週間程度)を予約します。2回目入院初日にCT脊髄造影検査(腰椎穿刺から造影剤を髄注した後にCT撮影)をして、髄液が漏れている場所を探します。ほとんどの場合、頚椎上部に漏れが見つかります。 ・治療 髄液漏出が見つかれば硬膜外ブラッドパッチ(EBP)治療を行います。その場で採血した自家血に適量の造影剤を混ぜて、漏出部位の硬膜外腔に注入します。伏臥位(うつ伏せ)で約30分の治療です。治療終了後に注入した血液の広がりを調べるためのCT撮影をします。数日間の安静後退院、その後は1〜2週間の自宅安静を指示します。治療の有効率は90%以上、約半数が1回の治療で治癒、効果不十分な場合も2回目、3回目の追加治療で大部分が治癒し、10%程度が難治例といったところです。前任地(福山医療センター)も含めてこれまでに7000件以上の治療を行っています。十分に安全な治療ですが、治療前には合併症の危険についても十分に説明させていただきます。
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