[ 放射線治療について ]
放射線治療の管理システムは電子化しています。今までは、放射線治療のデータは殆どが紙ベースであり、 病院内のほかの部門からは閲覧しにくい状態でしたが、当院では病院の電子カルテと接続し、病棟や紹介元の外来、 事務などの他の部門から閲覧可能です。夜間や休日でも放射線治療の予定や線量の確認が容易となりました。 照射データのみではなく、放射線治療に伴って発生するレントゲン写真やCT画像もすべてフイルムレスの電子保存をしており、 のちの解析や他院への紹介のためにとりだすことも可能です。 さらにCTやMRIなどの放射線診断部門のシステム(CTやMRIのデータ管理)と同じメーカーとして、統合しています(図1)。 共通のシステムで共通のサーバー(データ貯蔵庫)を用いているため、 低コストで導入・維持管理が可能となっています(このサーバーには内視鏡のデータも保管しており、 病院全体ではさらに低コストで運用しています)。医療費の会計システムとの連携も同システム上で行うことができ、 ペーパーレスにもなっています。
放射線治療部門と放射線診断部門が同一操作画面で運用されていることから、 スタッフの操作ミスによる事故リスクの低減に大きく貢献していると思われます。 また、両部門とも近年特に専門性が高くなってきていますが、 当院のように救急医療と癌治療を行う病院ではスタッフの役割を完全に分けるのは困難ですので、 限られた人的資源の活用にも寄与していると考えています。
【図1】