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このトピックスは 『尿失禁(尿漏れ)について』 です。

尾道市立市民病院では、尾道市民の皆様の健康増進を願い、定期的に“健康”に関するトピックスをWEBで公開しています。  →が記されている医師は異動により、現在は当院に在籍しておりません。

 

尿失禁(尿漏れ)について

泌尿器科:大枝忠史医師|2009-01-06

1.切迫性尿失禁

1)切迫性尿失禁とは
おしっこに行きたいと感じたら我慢できない、トイレに着くまでに漏れてしまうというものです。)膀胱が過敏になっている状態と言えます。加齢とともに生じて来ることが多いのですが、膀胱炎、前立腺肥大症、脳血管障害(脳こうそくや脳出血)、脊髄疾患などに伴って起ることもあります。

2)切迫性尿失禁の治療
原因となる病気の治療とともに、尿失禁を改善する薬剤(抗コリン作用を持つ)が使用されることが多いです。

2.腹圧性尿失禁
1)腹圧性尿失禁とは
くしゃみをする・重いものを持つなど、おなかに力が入った時に尿が漏れてしまう、というのが腹圧性尿失禁です。これは主に骨盤の底を支える筋肉(骨盤底筋)の力が弱くなることにより生ずると言われていますが、簡単に言えば膀胱の出口を締める筋肉(括約筋)がゆるんだ状態です。膀胱の過敏状態がなくても起こります。

2)女性の腹圧性尿失禁の治療について
主に3通りの方法があります。
?骨盤底筋体操
弱くなった骨盤底の筋肉を鍛えるものです。おならを我慢するように肛門をぎゅっと締めるだけの簡単なものです。1回に5秒間締め続け、これを1日何十回か繰り返します。もちろん即効性はありませんが、長い目で見ると有効な方法です。
?尿失禁改善剤(内服)
主に抗コリン作用を持つ薬剤です。何種類かの薬剤が知られていますが、膀胱の収縮を起こす筋肉(膀胱平滑筋)の力を弱める働きがあります。副作用として唾液の減少(口渇)、腸管の運動抑制(便秘)、排尿困難、眼圧上昇(緑内障の悪化)などがあります。
?手術療法
尿が尿道を通る時の抵抗を大きくして尿漏れを止める方法です。上記の2つの方法で効果が得られない場合や、漏れる量が多い場合には手術療法が考慮されます。手術をするべきかどうかは、漏れの量を調べる(パッドテスト)、排尿の勢いや残尿量を調べる(尿流量測定)、膀胱の形態を詳しく調べる(膀胱造影)などを行って決定されます。手術の方法は、最近では人工的なメッシュを埋め込んで尿道をハンモックのように支えることにより尿道の抵抗を大きくする方法(スリング手術)が主流です。細かな手技の違いにより2種類の方法がありますが(TVT手術、TVT−O手術)、当院では2002年からTVT手術を行っています。

TVT(Tension-free Vaginal Tape)手術について
女性の腹圧性尿失禁の代表的な手術療法です。ポリプロピレンで編まれた特殊なメッシュのテープで尿道を支え、尿道の抵抗を増加させて尿漏れを止める方法です。従来の方法に比較して手術手技が簡単で短時間ですみ、入院も短期間であり、効果も高く、再発や合併症の頻度の少ない優れた方法です。前記のTVT‐O手術とテープを通す経路が若干異なりますが、成績には大きな違いはないと言われています。

麻酔は当院ではサドルブロックで行っています。サドルブロックとは腰椎麻酔の一種で、外陰部付近の痛みを確実に除去できます。下腹部(恥骨上縁)に2ヶ所、膣に1箇所それぞれ長さ約1?の切開を加えて行います。手術時間は30分から1時間程度で、入院期間は3日から1週間程度です。80%以上の方で尿漏れが消失し、合併症としては低頻度ながら膀胱損傷、骨盤内出血、メッシュによる炎症などの可能性があります。

腹圧性尿失禁に対するTVT手術

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▲専用の針とメッシュ                                ▲手術のイメージ

GYNECARE TVTTM Tension-Free Support for Incontinence, c ETHICON, INC. 許諾を得て複製.

文責:尾道市立市民病院 泌尿器科:大枝忠史医師|2009-01-06
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