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このトピックスは 『インスリンとは?』 です。

尾道市立市民病院では、尾道市民の皆様の健康増進を願い、定期的に“健康”に関するトピックスをWEBで公開しています。  →が記されている医師は異動により、現在は当院に在籍しておりません。

 

インスリンとは?

内科 藤野寿幸医師|2009-09-14

 「インスリン」は、すい臓で分泌されるホルモンです。

 すい臓は、胃の後にある細長い臓器で、長さ15cm、厚さは3cm、重さは70gほどで、インスリンのほかに、食べ物を消化するすい液も分泌しています。
 すい臓のランゲルハンス島といわれる細胞の集まり中のβ細胞からインスリンが分泌されます。

 インスリンは、三大栄養素のひとつであるブドウ糖を細胞が利用する際に、重要な役割を果たします。
 細胞膜の受容体にインスリンが結合すると、その細胞は、血液中のブドウ糖を取り込み、エネルギーとして利用したり、脂肪やグリコーゲンにして蓄えるのです。

 免疫異常やウイルス感染などで、このβ細胞が破壊されると、インスリンが分泌されなくなります。
 これが1型といわれる糖尿病で、食べ物を食べてもからだがブドウ糖を利用できず、血液中のブドウ糖がいくらでも高くなります。

 1921年にインスリンが発見されるまで、1型糖尿病は、発病すると急速にやせ細り、最後には昏睡になって死んでいくという恐ろしい病気でした。
 インスリンは、1921年カナダの整形外科医バンティングと医学生ベストにより、夏休み中の大学研究室でイヌのすい臓から抽出されました。

 インスリンの効果は絶大で、糖尿病の特効薬として瞬く間に世界中に広まりました。これにより、バンティングはノーベル賞を受賞しました。

 当初、インスリンはウシやブタのすい臓から抽出されていましたが、不純物が多いため、副作用がありました。
 そこで、純度の高いインスリンが作成され、次には作用時間を伸ばすための工夫がされました。
 さらに、1980年代に、遺伝子工学の応用により、ヒトインスリンの合成が実現し、現在ではインスリンといえば、ヒトインスリンが一般的です。

 2001年には、遺伝子組み換え技術を用いて、新たに超速攻型インスリンが登場しました。

 インスリン製剤のタイプは、作用発現時間や作用持続時間によるバリエーションが増え、病態や治療目的に合わせ、いろいろ選べるようになっています。

                

文責:尾道市立市民病院 内科 藤野寿幸医師|2009-09-14
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