[ 健康トピックス ]
尾道市立市民病院では、尾道市民の皆様の健康増進を願い、定期的に“健康”に関するトピックスをWEBで公開しています。 →※が記されている医師は異動により、現在は当院に在籍しておりません。
消化性潰瘍って何?
胃や十二指腸はデリケートな臓器です。そのため、肉体的、精神的ストレスや、解熱剤,消炎鎮痛剤などの薬剤などによって、胃の粘膜の血液循環が悪くなり、粘液・粘膜の働きが低下し潰瘍を引き起こします。
また、胃の粘液の中に生息しているヘリコバクター・ピロリという細菌がつくり出すさまざまな物質によって、粘膜が刺激を受け炎症を起こし胃潰瘍の発症の下地を作っています。
一方、十二指腸潰瘍は、ストレスなどで胃酸やペプシンなどの消化液の働きの過剰が原因で起こる場合が多いため、若い人に多く見られます。
卒業,転勤,勤務移動,就職など3〜4月は,いろいろなストレスにさらされる季節です。統計的にもこの季節は胃潰瘍,十二指腸潰瘍など消化性潰瘍の発生が多いようです。では,どのような症状が要注意なのでしょうか。
・みぞおち(上腹部)の痛み。特に食前や夜中、食後2〜3時間後に痛むことが多い
・酸っぱいげっぷや胸やけが続く
・食欲不振
・黒っぽい血を吐いたり、コールタールのような便が出れば、胃や腸から出血していることも あります。
以上のような症状に心当たりあるかたは,吐血などで救急搬送される前に医療機関を受診されることをお勧めいたします。また,消化性潰瘍の予防と治療のために生活習慣をどのように改善したらよいか簡単なアドバイスをいたしましょう。
ストレス解消を上手にし、規則正しい生活を心がけ、食事は毎日決まった時間に摂る。また薬は自己判断で使用しない。
・牛乳、卵の動物性たんぱく質及び豆腐などの植物性たんぱく質を積極的に摂る
・繊維の多い野菜はよく煮て、肉や魚はミンチにするか細かく切る
・揚げ(油っこい)物は控え、香辛料、強いアルコールや炭酸飲料など胃を刺激するものは避ける
・柑橘類(ミカン・グレープフルーツなど)を控える
以上のことに注意して生活習慣の改善に努力してください。